いつかその日まで自分らしく生きる方法

乳がんホルモン治療中のAYA世代。

乳がん1年生のAYA世代、がん発覚から検査・手術・治療までの経過を書いてます

初めまして、昨年の終わりから乳がん1年生として治療中のKiricaです。

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このブログでは仕事と乳がん治療の両立や、がんになる前に知っておきたかったこと、心と身体についてなど諸々書いていく予定です。

 

スタンスとしては標準治療
先進医療やサプリ、極端な食事療法などは考えてません。
占いやスピリチュアルも興味なしです。

 

当記事では、乳がん治療の過程を書いていきます。
最終更新日:2023年2月15日

2022年11月:乳がん発覚

左胸にしこりを感じクリニックで検査。
マンモグラフィ・超音波・細胞診。
検査時は「悪性の可能性は低い」と言われたものの、細胞診の結果はクラス5。
大病院を紹介される。

それでも先生からは「がんではない可能性もある」と言われたが、
ネットで調べるとクラス5は”ほぼ確定でがん”と書かれていたので覚悟していた。

 

ちなみに細胞診(細い針を麻酔なしで胸に刺す検査)は
めちゃ痛かった。激痛というより鈍痛で、今まで感じたことのないイヤ〜な痛み。

 

しこりを感じる前後は両胸とも痒みが強くて、ボリボリ掻いてたらしこりを発見した流れ。乳がんの症状といえば「しこり」と思われがちだけど、痒みも症状の1つと言われてるので要注意。

 

2022年12月:大病院で検査のてんこ盛り、手術

大病院で検査開始。血液検査・PET-CT・造影MRI・レントゲンなどてんこ盛り。

一番怖かったのは針生検(細胞診より太い針を局所麻酔で胸に刺す検査)だけど、
担当のお医者さんがディズニーのキャストばりにエンタメ力を発揮してくれた。

皮膚を切り取る時も、バキュームのような機械でバチン!と音を立てて
細胞?を吸い取る間もずっと会話で気を紛らわせてくれて神だった。本当に感謝。

次に怖かったのは造影MRI。通常のMRIではなく、薬を注射しながらの検査なのだけど
私は昔喘息にかかっていたことがあり、「重篤な副作用が出るかも」とのこと。

最初は大病院で予約の空きがなく、地元の検査専門クリニックで予約を取ってもらったが、
喘息の既往歴がある人は小さなクリニックでは責任を持てないとのことで
検査してもらえなかった。結局、
大病院の予約に入れてもらって実施したけれど副作用が心配で安心して受けられるわけがなく、MRIの間ずっと落ち着かなかった。

最終的に12月頭にルミナルAの乳がん確定。
私がまだ30代での発症、かつ家族内に卵巣がんの病歴がある人がいたので
遺伝子検査を勧められた。

特定の遺伝子が陽性の場合、乳がん卵巣がんにかかる確率が跳ね上がるため
治療を考える上でやっておいた方がいいとのこと。

後で調べたらこの検査はとてもナイーブなものらしく、
やるかどうか考えるのにカウンセラーがつく場合もあるらしい。

私は白黒はっきりさせたいタイプだし、子どももいなかったので
何も考えずにその場で書類にサインしてしまった。
でも調べたり考えたりしても結果的には検査することに決めたと思うので、特に後悔はなし。

 

結果はBRCA1,2遺伝子検査陰性。

 

陽性の場合は予防のために両胸全摘を勧められていたので、
陰性でホッとした。

 

女優のアンジェリーナ・ジョリーも予防で全摘しており
アメリカでは予防切除は当たり前になってきていると言われたが、
だからといって「じゃあ自分も」という気持ちにはならない。

 

今までの人生、そんなに自分のおっぱいを愛して生きてきた訳ではないけれど
いざなくなるかもしれないと思うと、すごく悲しくなってしまった。
追い討ちをかけるように、先生から両胸全摘した時と再建した後の写真を見せられて
その場で泣いてしまった。がんと言われても泣かなかったけれど、おっぱいがなくなると言われたら涙が出てきた。

 

先生は多分「こんなに綺麗に再建できるよ」というつもりで写真を見せたのだろうけど、普通にショックなのでもう少し繊細な見せ方をしてほしいとその時は思った。

 

後から、あんなに毎日乳がん患者を診て、手術の日は朝から晩までオペをして・・という生活をしてたら、そりゃあ感覚も麻痺するなと思った。それに、妙に気を遣われたり優しくされても逆に変な感じなので、あれぐらいのサバサバさが気楽なのかもと思ったり。

 

年末に入院。左胸の部分切除で手術。
センチネルリンパ節生検で転移なく、腋窩リンパ節郭清はなし。

 

入院についてはまた別途書く予定だけど、手術日当日に細胞診のような注射があり、それが一番痛かった。手術自体は麻酔で寝てれば終わったので、意識がある中で最も怖い&痛かったのはソレです。。本当にいや〜な痛み!無事に年内に退院。

2023年1月:治療方針の検査、決定

手術から約2週間、病理結果が出る。
ホルモン受容体陽性、ホルモン治療を勧められる。
断端近接のため、放射線ブースト照射(通常より回数が増える)決定。
抗がん剤が必要かは判断が難しいとのことで、オンコタイプDXを受けることに。

 

◎オンコタイプDXとは?

乳がんの遺伝子検査で、抗がん剤が効果的なタイプかどうかを判断できるもの。乳がんのタイプは人によって異なるが、抗がん剤の有効性の有無はお医者さんの方で判断するのが極めて難しいケースも多かった。

 

オンコタイプDXは、手術で取った病理組織を元に調べられるため、私たちの身体に追加負担なく検査できるもの。

 

ただしこれまでは、価格がネックだった。

 

アメリカ発祥のオンコタイプDXは、日本ではまだ保険適用外で本来40万以上かかる。保険適用になったとしても、3割負担で13万円ほど。なかなか気楽には受けられない検査。

 

しかし、なんと今だけ無料(手数料で約1万円かかる)とのことで、私はもちろん受けました。なぜ無料かは先生の説明を聞いても若干不明でしたが、保険適用する/しない問題が長く続きすぎて期間限定の経過措置っぽい。

 

2023年2月:放射線治療スタート

先生には、ホルモン治療は10年かかるので早く始めた方がいいと言われたものの、妊娠できなくなるため卵子凍結など検討したく一旦保留。結婚・妊娠の可能性について非常に複雑な問題を抱えていたため、なかなか決定することができず。

 

先に放射線治療をスタート。左胸で心臓に近いため、放射線照射中は息を指定の量まで吸って止める必要があり、2回ほどリハーサルも受ける。

 

乳腺外科の先生は、毎日忙殺されながら診察してるのが分かっていたので、心のケアは期待していなかった。個別のケアなんてやってられないだろうし、外科の先生で生死の狭間もたくさん見てきてるので、一般の患者である私とは感覚も合わないだろうなと。腕が良ければOKです!できるだけ仲良くしてください!ぐらいのスタンス。

 

一方で放射線の先生は、一人一人にゆっくり時間をかけてくれた(かける余裕があるとも言う)。雑談から始まって乳がんに関する細かい質問もたくさんさせてもらい、放射線治療乳がん患者としての不安を緩和してもらった。

 

放射線科は乳がんだけでなく色んな患者さんがおり、技師の人も看護師さんもすごく優しい。外科とはちょっと雰囲気が違う感じ。放射線を胸の柔らかい部分に当てるので、皮膚の火傷が不可避なのだけど、看護婦さんからそのためのケアもしっかりしますよというメッセージを頂き。言い方は変かもしれないけど、乳がんになって初めて女性としてのケアをされた気がした。

 

それまでは「この治療始まったら妊娠できないよ」「卵子凍結する年齢でもないんじゃない?」「全摘したらこんな感じになるからね(写真どーん)」「はい、今日も胸見せてくださいね〜(入院中の傷跡チェック)」と、女性としての恥じらいとか尊厳みたいなものをどんどん捨てていく日々だったので、放射線科で気遣ってもらってちょっと安心した。

 

ちなみに上で書いたのは単体で読むとひどい先生・言い方と感じるかもしれないし、実際に私もしょんぼりしたこともあるけど、まあ仕方ないよなと思うレベル。向こうの悪気も感じないし、毎日たくさんの乳がん患者と会ってたら麻痺しますよね〜と思う。あと、お医者さんたちにあまりに気遣われても、それはそれで微妙で。担当のお医者さんには事実をシンプルに感情を乗せずに伝えてもらった方が、私的にはよかった。

 

なので、外科のお医者さんたちと、放射線科の先生と看護師さんの両方とも違う形でケアをしてくれていると思う。不満を言うつもりで書いたわけではないです。

 

放射線治療、ホルモン療法についてまた随時追記してきます〜。