いつかその日まで自分らしく生きる方法

乳がんホルモン治療中のAYA世代。

『世界一やさしい「才能」の見つけ方』感想:これからの自分の人生に期待するために読んだ本

「自分の短所が気になる」「自己肯定感が低くて自信が持てない」そんな状況ってめちゃめちゃ辛くないですか?

 

私は乳がんの治療中、できなくなったことばかり考えてしまいました。手術後に体力がなくなり、今までのように動けなくなったこと。ホルモン治療を始めたら妊娠できなくなること。病気でもできることはたくさんあるのに、どんどんマイナス思考になって自信がなくなっていったんです。

 

治療がうまくいって通常通りの生活が始まったと思いきや、たまたま仕事で成果が出ないことが続き、上司に指摘されることが増えました。「何で私はできないんだろう」「もっとできるようにならなきゃ」指摘された短所を振り返っては、自分は仕事ができないダメな人間だ、もっと頑張って努力して変わらなきゃと思ってました。

 

でも時間をかけても、本を読んで勉強しても、たくさん行動しても成果はほとんど出なかった。これまでの人生、もっと楽に成果を出せたことはいっぱいあったはず。何かがおかしい。

 

そこで、自分を卑下したり変わろうとするのをやめて、一旦見つめ直してみたいと思ったのです。そんな時に出逢ったのが八木仁平さんの書籍『世界一やさしい「才能」の見つけ方』です。

 

 

『世界一やさしい「才能」の見つけ方』はどんな本?

 

端的に言うと、自分だけの才能を見つけて正しく活かすことで、自分らしく輝き自信を持って生きるために書かれた本です。

 

皆さん、今こんな風に思いませんでしたか?

 

「そんなの怪しい」「私には才能なんてあるわけない」「この年齢で自分探しなんてもう遅い」

 

・・私は思ってました!

 

特にこの本を読む前は自分に自信がない時期だったこともあり、”才能”という言葉に拒否感さえ抱くレベル。

 

それに、今まで自分探しの本もたくさん読んできたけど、読んだだけで満足して、その後の人生には役立ってないことも多かったのです。この本も同じなのでは?と疑いました。

 

でも、その時の私は何とか今の人生を変えたかった。毎日「自分なんて..」と落ち込んだり、夢中に生きられない日々を変えたい。せっかく手術も治療もうまくいったんだから、これからの自分の人生に期待したい。

 

そんな想いから、この本を読み始めました。

 

『世界一やさしい「才能」の見つけ方』をおすすめしたい人

 

結論から言いますと、とにかく全員にこの本を読んでワークに取り組んでほしいです。今モヤモヤしてる人は黙ってワークをやる、自分に自信がある人もとりあえずやってみればまだ知らない才能に出逢えるかもしれない。

 

特におすすめしたい人を挙げるとするならば、こんな方はぜひ読んでみてほしいです。

 

  • 人から自分の欠点を指摘され、努力しているが成果が出ない
  • 自己肯定感が低く、毎日生き生きと生きている実感がない
  • つい他人と比べて落ち込んでしまう

 

実はこれ、本を読む前の私の状態なんですね。

 

「これを読んだだけで、私変わりました!」「今は自分が大好きですごくハッピーです!」

 

・・と言ったら何だか嘘っぽいですよね笑。

実際に今そこまでの変化があるわけではなく、読むだけで人生が変わるわけではないのです。

 

書いてあることを理解しながら、ワークや質問に取り組み、自分なりに考えて答えを出してみる。その中で考え方が変わっていくのに気づいたり、才能の候補になる自分の魅力が少しずつ分かってくるものなんだと思います。

 

『世界一やさしい「才能」の見つけ方』をステップごとに紹介

 

『世界一やさしい「才能」の見つけ方』は、大きく分けて3つの構成から成ります。それぞれの内容と学んだことを簡単にまとめていきますね。

 

ステップ1:才能を見つける技術

ステップ2:才能を活かす技術

ステップ3:才能を育てる技術

 

ステップ1:才能を見つける技術

「才能」が見つかる5つの質問や、短所から分かる1,000の才能リストを使って自分の才能について深掘りしていきます。質問と言っても難しいものではありません。ついやってしまうことや、他の人は嫌がるのに自分は楽しいと思えることなど、今までの人生を振り返れば誰でも答えられるものになっています。

 

最終的には自分の才能を表す動詞と、それを裏付ける具体的な経験を「才能マップ」として3つ作成。3つの才能を掛け合わせることで、自分だけの特別な才能を明らかにしていくのです。

 

ちなみに私はまだ3つに絞りきれていないのですが、才能マップの候補として挙げた中には例えばこのようなものがあります。

  • 新しく得た情報や知見を人に共有する
  • ストーリーを創り、言葉で人を元気づけ心を動かす
  • 好奇心のまま、初めてのことにも気軽に挑戦する
  • 斬新で独創的なアイデアを出す
  • 相手を励まし、エンパワーする

「新しく得た情報や知見を人に共有する」は、まさに今回『世界一やさしい「才能」の見つけ方』を読んで、誰かに伝えたい!!と思い、この感想ブログを書くことに繋がっています。

 

ステップ2:才能を活かす技術

個人的にはステップ2からが『世界一やさしい「才能」の見つけ方』の醍醐味だと思っていますので、ぜひステップ1で満足せずに最後まで読んでいただきたいです。

 

ステップ1で才能マップを3つ手に入れるだけでも、かなりの充足感と高揚感があります。「私はこれから違う人生を送るんだ!」とポジティブな気持ちになれるのです。

 

しかし、この満足感こそが、これまで多くの自己啓発本を読んでも今回のように行き詰まってしまっている理由ではないかと思いました。

 

『世界一やさしい「才能」の見つけ方』では、才能を見つけただけでは満足させてくれません。自分の持っている才能を活かす方法を考えないと、人生に反映することはできないからです。

 

このステップで私が一番衝撃を受けたのは、長所と短所への正しい向き合い方です。皆さんは、どのように自分の長所・短所に向き合っていますか?

 

  1. 短所だけをカバーし、長所は現状維持
  2. 長所だけ活かして、短所は無視する
  3. 長所を活かしながら、短所をカバーする

 

私はいつも1か2を行ったり来たりして、上手くいかなかったことの方が多いです。

 

「もっと端的に話せるようにならなきゃ!」と短所を直すために本を読んで実践しても、丁寧に背景を伝える長所を無視していたのでコミュニケーションがうまくいかなかったり。

 

「新しいことに挑戦し続ける長所を生かせばいいんだ!」と振り切って毎日新しいマーケティング手法を試してみても、振り返りやPDCAを回さなかったので全然結果が出なかったり。

 

『世界一やさしい「才能」の見つけ方』では、長所を活かしながら、短所をカバーするこそが正しい向き合い方だと書かれています。

 

例えば、ヨットの水漏れ(短所)をいくら修理しても、帆(長所)を張らなければ前に進まない。この例えを読んで、ハッと気付かされました。

 

まずは長所を伸ばす、そして短所を補う方法を考える。
これからはこの順番で、自分の長所・短所に向き合おうと思います。

 

ステップ3:才能を育てる技術

自分だけの才能を見つけて、活かす方法も分かりました。でも、まだ満足するには早いのです。

 

才能は適切に育てることで「強み」に変化し、もっと人から感謝され、報酬にも繋がっていく。そして、感謝されて報酬が得られることによって、さらに自分の才能に気づけるという最高のループに入ることができるからです。

 

ステップ3:才能を育てる技術には、才能を強みに育てる4つの技術や、好きなこととの掛け合わせで、圧倒的な強みを見つける方法が書かれています。

 

好きなことを見つけるコツについては、八木さんの前作である「世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方 人生のモヤモヤから解放される自己理解メソッド」を併せて読むのをオススメします。

 

 

『世界一やさしい「才能」の見つけ方』を読んで一番衝撃的だったこと

ちょっとだけ自分の話をすると、私は小さい頃から親の教えで「理想の人物」になるために努力をしてきました。いい大学で学び、安定した会社に入り、良い相手と結婚する。そのために幼稚園に入る前から遊べる時間は少なく、勉強や習い事の日々。

 

心の中では、周りの人が考える理想は全然興味がなくて。いい学校も会社もどうでもいい、もっと遊びたいし早く自由になりたいと思っていました。

 

大人になってからも、経営者やキャリアウーマンに憧れて、実際に仕事も頑張ってきました。

 

でも、何だかずっとしっくりこなかった。

 

だって、勉強も仕事も、頑張れば頑張るほど、理想や憧れの姿に近づこうとすればするほど成果がでなかったから。そして何より、今の自分はダメ人間で、もっと努力してより良い人にならなくてはと感じながら生きていたからです。

 

『世界一やさしい「才能」の見つけ方』の冒頭には、そんな私にとって衝撃的なことが書かれていました。それは、憧れは自己否定であり、「なりたい自分」を手放せば、才能が見つかるということです。

 

確かに、「なりたい自分」というのは自分の才能を活かすことからはかけ離れていますよね。自己否定し、自分ではないものになろうとしているからです。

 

つまり、私が自分らしく成果を出せていない、何だかしっくりこないと感じていたのは、自分が持っている魅力や強み=才能を活かさずに、持っていないものを手に入れることに必死になっていたからだと気づいたのです。

 

本当は自分だけの才能があるのに、それを見つけたり伸ばす努力をするのではなく、自分の外側にばかり目が向いてしまっていた。

 

『世界一やさしい「才能」の見つけ方』のワークを通して、これまでの人生で上手くいった時には、必ず自分の「才能」を活かして取り組んでいることも分かりました。

 

これからワークの答えを見直し、3つの才能マップを創ってみるつもりです。改めて今、自分の人生にワクワクしています。

 

『世界一やさしい「才能」の見つけ方』は、読むだけで人生が変わるような魔法ではないし、読んで満足感を得るための自己啓発本でもありません。内容を理解し、振り返って考え、次の行動に移すための羅針盤のような本だと思っています。

 

皆さんは、どんな才能を見つけて、どんな自分に出逢いますか?

 

 

 

 

乳がん1年生のAYA世代、がん発覚から検査・手術・治療までの経過を書いてます

初めまして、昨年の終わりから乳がん1年生として治療中のKiricaです。

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このブログでは仕事と乳がん治療の両立や、がんになる前に知っておきたかったこと、心と身体についてなど諸々書いていく予定です。

 

スタンスとしては標準治療
先進医療やサプリ、極端な食事療法などは考えてません。
占いやスピリチュアルも興味なしです。

 

当記事では、乳がん治療の過程を書いていきます。
最終更新日:2023年2月15日

2022年11月:乳がん発覚

左胸にしこりを感じクリニックで検査。
マンモグラフィ・超音波・細胞診。
検査時は「悪性の可能性は低い」と言われたものの、細胞診の結果はクラス5。
大病院を紹介される。

それでも先生からは「がんではない可能性もある」と言われたが、
ネットで調べるとクラス5は”ほぼ確定でがん”と書かれていたので覚悟していた。

 

ちなみに細胞診(細い針を麻酔なしで胸に刺す検査)は
めちゃ痛かった。激痛というより鈍痛で、今まで感じたことのないイヤ〜な痛み。

 

しこりを感じる前後は両胸とも痒みが強くて、ボリボリ掻いてたらしこりを発見した流れ。乳がんの症状といえば「しこり」と思われがちだけど、痒みも症状の1つと言われてるので要注意。

 

2022年12月:大病院で検査のてんこ盛り、手術

大病院で検査開始。血液検査・PET-CT・造影MRI・レントゲンなどてんこ盛り。

一番怖かったのは針生検(細胞診より太い針を局所麻酔で胸に刺す検査)だけど、
担当のお医者さんがディズニーのキャストばりにエンタメ力を発揮してくれた。

皮膚を切り取る時も、バキュームのような機械でバチン!と音を立てて
細胞?を吸い取る間もずっと会話で気を紛らわせてくれて神だった。本当に感謝。

次に怖かったのは造影MRI。通常のMRIではなく、薬を注射しながらの検査なのだけど
私は昔喘息にかかっていたことがあり、「重篤な副作用が出るかも」とのこと。

最初は大病院で予約の空きがなく、地元の検査専門クリニックで予約を取ってもらったが、
喘息の既往歴がある人は小さなクリニックでは責任を持てないとのことで
検査してもらえなかった。結局、
大病院の予約に入れてもらって実施したけれど副作用が心配で安心して受けられるわけがなく、MRIの間ずっと落ち着かなかった。

最終的に12月頭にルミナルAの乳がん確定。
私がまだ30代での発症、かつ家族内に卵巣がんの病歴がある人がいたので
遺伝子検査を勧められた。

特定の遺伝子が陽性の場合、乳がん卵巣がんにかかる確率が跳ね上がるため
治療を考える上でやっておいた方がいいとのこと。

後で調べたらこの検査はとてもナイーブなものらしく、
やるかどうか考えるのにカウンセラーがつく場合もあるらしい。

私は白黒はっきりさせたいタイプだし、子どももいなかったので
何も考えずにその場で書類にサインしてしまった。
でも調べたり考えたりしても結果的には検査することに決めたと思うので、特に後悔はなし。

 

結果はBRCA1,2遺伝子検査陰性。

 

陽性の場合は予防のために両胸全摘を勧められていたので、
陰性でホッとした。

 

女優のアンジェリーナ・ジョリーも予防で全摘しており
アメリカでは予防切除は当たり前になってきていると言われたが、
だからといって「じゃあ自分も」という気持ちにはならない。

 

今までの人生、そんなに自分のおっぱいを愛して生きてきた訳ではないけれど
いざなくなるかもしれないと思うと、すごく悲しくなってしまった。
追い討ちをかけるように、先生から両胸全摘した時と再建した後の写真を見せられて
その場で泣いてしまった。がんと言われても泣かなかったけれど、おっぱいがなくなると言われたら涙が出てきた。

 

先生は多分「こんなに綺麗に再建できるよ」というつもりで写真を見せたのだろうけど、普通にショックなのでもう少し繊細な見せ方をしてほしいとその時は思った。

 

後から、あんなに毎日乳がん患者を診て、手術の日は朝から晩までオペをして・・という生活をしてたら、そりゃあ感覚も麻痺するなと思った。それに、妙に気を遣われたり優しくされても逆に変な感じなので、あれぐらいのサバサバさが気楽なのかもと思ったり。

 

年末に入院。左胸の部分切除で手術。
センチネルリンパ節生検で転移なく、腋窩リンパ節郭清はなし。

 

入院についてはまた別途書く予定だけど、手術日当日に細胞診のような注射があり、それが一番痛かった。手術自体は麻酔で寝てれば終わったので、意識がある中で最も怖い&痛かったのはソレです。。本当にいや〜な痛み!無事に年内に退院。

2023年1月:治療方針の検査、決定

手術から約2週間、病理結果が出る。
ホルモン受容体陽性、ホルモン治療を勧められる。
断端近接のため、放射線ブースト照射(通常より回数が増える)決定。
抗がん剤が必要かは判断が難しいとのことで、オンコタイプDXを受けることに。

 

◎オンコタイプDXとは?

乳がんの遺伝子検査で、抗がん剤が効果的なタイプかどうかを判断できるもの。乳がんのタイプは人によって異なるが、抗がん剤の有効性の有無はお医者さんの方で判断するのが極めて難しいケースも多かった。

 

オンコタイプDXは、手術で取った病理組織を元に調べられるため、私たちの身体に追加負担なく検査できるもの。

 

ただしこれまでは、価格がネックだった。

 

アメリカ発祥のオンコタイプDXは、日本ではまだ保険適用外で本来40万以上かかる。保険適用になったとしても、3割負担で13万円ほど。なかなか気楽には受けられない検査。

 

しかし、なんと今だけ無料(手数料で約1万円かかる)とのことで、私はもちろん受けました。なぜ無料かは先生の説明を聞いても若干不明でしたが、保険適用する/しない問題が長く続きすぎて期間限定の経過措置っぽい。

 

2023年2月:放射線治療スタート

先生には、ホルモン治療は10年かかるので早く始めた方がいいと言われたものの、妊娠できなくなるため卵子凍結など検討したく一旦保留。結婚・妊娠の可能性について非常に複雑な問題を抱えていたため、なかなか決定することができず。

 

先に放射線治療をスタート。左胸で心臓に近いため、放射線照射中は息を指定の量まで吸って止める必要があり、2回ほどリハーサルも受ける。

 

乳腺外科の先生は、毎日忙殺されながら診察してるのが分かっていたので、心のケアは期待していなかった。個別のケアなんてやってられないだろうし、外科の先生で生死の狭間もたくさん見てきてるので、一般の患者である私とは感覚も合わないだろうなと。腕が良ければOKです!できるだけ仲良くしてください!ぐらいのスタンス。

 

一方で放射線の先生は、一人一人にゆっくり時間をかけてくれた(かける余裕があるとも言う)。雑談から始まって乳がんに関する細かい質問もたくさんさせてもらい、放射線治療乳がん患者としての不安を緩和してもらった。

 

放射線科は乳がんだけでなく色んな患者さんがおり、技師の人も看護師さんもすごく優しい。外科とはちょっと雰囲気が違う感じ。放射線を胸の柔らかい部分に当てるので、皮膚の火傷が不可避なのだけど、看護婦さんからそのためのケアもしっかりしますよというメッセージを頂き。言い方は変かもしれないけど、乳がんになって初めて女性としてのケアをされた気がした。

 

それまでは「この治療始まったら妊娠できないよ」「卵子凍結する年齢でもないんじゃない?」「全摘したらこんな感じになるからね(写真どーん)」「はい、今日も胸見せてくださいね〜(入院中の傷跡チェック)」と、女性としての恥じらいとか尊厳みたいなものをどんどん捨てていく日々だったので、放射線科で気遣ってもらってちょっと安心した。

 

ちなみに上で書いたのは単体で読むとひどい先生・言い方と感じるかもしれないし、実際に私もしょんぼりしたこともあるけど、まあ仕方ないよなと思うレベル。向こうの悪気も感じないし、毎日たくさんの乳がん患者と会ってたら麻痺しますよね〜と思う。あと、お医者さんたちにあまりに気遣われても、それはそれで微妙で。担当のお医者さんには事実をシンプルに感情を乗せずに伝えてもらった方が、私的にはよかった。

 

なので、外科のお医者さんたちと、放射線科の先生と看護師さんの両方とも違う形でケアをしてくれていると思う。不満を言うつもりで書いたわけではないです。

 

放射線治療、ホルモン療法についてまた随時追記してきます〜。